手を繋いだまま2階への階段を上った由生と亜姫は、子供部屋としては広くも狭くも無い由生の部屋にたどり着いた。
由生「部屋、暑いよね。今、クーラーつけるから……って、亜姫は暑いとか感じないのかな……」
亜姫が言葉を発しないため、由生は1人ベラベラと喋り続ける。両親の前では亜姫を値踏みするような余裕を持っていたのに、女の子と2人きりの状況に明らかに上がっているようだった。
由生「そうだ、ずっと立ってる訳にもいかないよな。はい、ココに座って」
由生に促され、手を握ったまま亜姫がベッドに腰かける。
由生「ええと手を……ま、いっか。俺もココに座ればイイんだもんな」
由生は手を離してもらおうとしたが、亜姫の横に落ち着かない様子のまま腰を下ろした。
由生「俺の彼女。お願いした通りに何でもしてくれる彼女……。一体、何から教えたらイイんだ?」
亜姫と繋いだままの手に汗を滲ませながら、由生はウンウンと唸り始める。
悩む事しばし、由生の部屋に階下から何年一緒にいても聞きなれない声が届き始めた。
由生「父さんと母さん、また始めやがったな。本当にあの人達は全然、慎みってものが無いんだから。あんな大声でしてると子供だけじゃなくて隣近所にも聞こえるぞ……」
夫婦の営みの激しさに、悩んでいた事も忘れ由生がウンザリとした顔で階下を見つめる。
由生「……そうか、そういう事から教えるのもアリなんだよな」
階下から亜姫へと視線を移した由生が、ふっとある事に思いを巡らせた。
由生「いやいや、幾ら亜姫が俺の彼女になる為に作られたアンドロイドだからって、いきなりそんな事から教えるのはマズイよな」
自らの下卑た想像にブンブンと頭を振る。
由生「そうだよ。俺の彼女になるんだから、まずは一緒に過ごす為の色んな事を覚えてもらうべきだよな」
しかし、由生の決意を壊すように階下からベッドの軋む音が響いてきた。
由生「ああ、畜生! 俺は、どうしたらイイんだー!」
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